まーぼうの書きたいことをたらたらと

研究したりゲームしたり作ったりの日記

「ファイアーエムブレム 風花雪月」プレイ感想・分析(金鹿・1周目)

こんばんは、まーぼうです。 1週間ほど前ですが、「ファイアーエムブレム 風花雪月」の1周目をプレイし終わりました。そろそろ多少のネタバレも大丈夫でしょうしプレイ感想を書きたいと思います。

発売前の予想記事がこんな感じです。どの程度予想が当たったのかも照らし合わせながら書いていこうと思います。

mabo-nebo.hatenablog.com

記事を読む前の注意点!

  • 金鹿ルート1周目のみプレイ済、他のルートについては知りません
  • 青獅子クラスのアネットちゃんのみをスカウト
  • ハード、クラシック、ノーリセット、操作ミス以外のマップ巻き戻しの禁止につき、死者が出ました
  • プレイ感想というより、ゲームの構造分析・考察記事という側面が強いと思います
  • ネタバレは極力避けますが、読む方もネタバレ注意でお願いします
    • どのルートでもいいので1周した方がネタバレが起きづらいのかなと思います

発売前予想について

どこまで予想通りでどこから予想外だったのか、発売前から楽しみにしてたのでかるーくまとめます。

楽しみポイント:ムービー演出が本格的になってそう

これはホントに予想通り。主人公の名前が自分で設定可能な上に、「先生」呼びが通じる事でムービーやストーリー中のボイスで「名前が自由であるが故にボイスで主人公の名前が呼ばれず不自然さを感じる」というのがまったく無かったので、ストーリーにめちゃくちゃ没入できました。

楽しみポイント:思いっきり育成が楽しめる

これは少し微妙、というのも最上級職が少ないので大体のキャラは育成方法が大体1~2択になってしまうのではないかなと思ったからです。ただ、何周かすれば育成のコツも掴めてきそうですし、そもそも最上級職より上級職の方がステータス的に良いという場合もあるので、「必ずしもキャラを最上級職にしないといけない」という訳ではないのかもしれませんね(最終ステージでも敵は最上級職より上級職が大多数でしたし……)。ただクラスチェンジができるレベルになるとクラスチェンジしたくなる心理が働くので、結構悩ましいところでした。

初周の育成自体は、生徒の技能をどう育てよう、どういう風に指導しよう、など考えてこだわれる部分は多くとても楽しかったです。あくまで何周もする場合に育成を楽しめるかな?という部分が思ったより自由度が無さそうという懸念です。

楽しみでもあり不安ポイント:2部構成のストーリー

ストーリーは(金鹿については)FEっぽくとても良いシナリオでした。他学級クラスのキャラの行動理念が完全には明かされないので少しモヤモヤ部分がありますが、ストーリーも十分まとまってると思います。もう2周のストーリーを見て世界観の全容を把握したいですね。

不安ポイント:初手で自分の好みの学級を選べるんだろうか?

これについてはやっぱり選べませんでした。ただ、ストーリーの途中で「別の学級気になるな」という風になった場合、2部の戦争パートのストーリーの重さが段違いになり、ストーリーをより重厚に味わえるようになるのでこれはこれで良いなと感じました。

第1部では自分の学級以外のキャラともほぼ自由に支援を組めるせいで、青獅子のキャラに思い入れが出てきてしまい、2部で青獅子のキャラと戦うのが非常に辛かったです。あの戦闘ほど「悲惨な光景」ってそう味わえない……

期待ポイント:クロードの「金鹿の学級」周り

ほぼほぼ予想通り。クロードは主人公としては邪道っぽいキャラですが、ストーリーは思いっきり王道でした。

期待ポイント:音楽が良曲揃いの予感

これは期待通り、良曲揃いでした。サウンド鑑賞があるので、通学の行き帰りでよく聴いてます。

今作の音楽演出の特徴は「ボスとの戦闘を始めたらボスを撃破するまでそのボス戦BGMのまま」というのが目新しく感じました。ボスBGMもマップと戦闘においてインタラクティブミュージックの演出がされていて、ボスキャラと戦う高揚感をよく味わえます。 (だいたいのボスがリシテアとの1戦闘で死ぬからマップ上のボスBGMを滅多に聴かないとは言わない)

不安ポイント:難易度が2つ

自分はハードクラシックノーリセットでプレイしましたが、初見でも死者1人だったので、難易度ハードは結構簡単めだったのかなと思います。ただ開発がルナティックモードをDLCで出すよと言っているので、難しさの面での心配は解消されるのかなと思います。

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ちなみに、やられたのはマリアンヌです。投石器の必殺で突然死して唖然としてました。

今作は、プレイングミスしづらい・リカバリーしやすいように配慮されている節が多く、敵ターンで誰に攻撃してきそうか、どのくらいのダメージを喰らいそうかが分かりやすい画面構成になっていたり、魔法の使用回数が毎戦闘で回復するのでリブロー・レスキュー・ワープをそれなりに思い切って使えたりします。これが死者が少なくなった原因かもしれませんね。

楽しみポイント:取れる戦術はとても多そう

戦術の自由度は相当高かったように思えます。割と「ボスを早々に殴りに行ってマップクリアする」という戦術を初見なのに取れたので。もちろん攻撃を外した時のリスクが高いので、じっくり進んだ方が大抵の場合は良かっただろうなぁと思いました。(ただ、初見ノーリセットだと増援で想定外の事が置きやすいからクリアできるならぱっぱとクリアしたくなるよなぁ)

ホッとしたポイント:第3勢力にそれなりにキャラが居る

黒幕の組織がある程度ちゃんと見えていたり、自分の学級以外の味方組織があったりしたおかげで、ストーリーは結構説得力を持っていたなあと思います。ただ、スカウトを全然しなかったので第2部で第3勢力系の味方キャラが誰も仲間にならなかったので、彼らがどんなキャラなのかあまり分からずにエンディングを迎えることになってしまいました。2周目は積極的にスカウトしたいなあと思います。

実際にプレイして気づいた点

次は、プレイ前の考察以外で「このゲームすげえ~~」と思った点について書こうと思います。 本来は「ここは改善点なんじゃないかなぁ」みたいなのも含めて書こうと思っていたのですが、あまりに完成度・満足度が高すぎて、些細な粗探しみたいになってしまうので、そういうのはほぼほぼありません。

「時間を過ごす」「共同生活する」という深い体験が味わえ、キャラへの愛着が深まる

このゲームでは主人公と生徒たちは、ガルグ=マグ大修道院に併設されている士官学校で生活をしながら、課題として戦場に出撃します。そのため、キャラクターたちとは大修道院で共同生活をして多くの時間を共有していきます。

それで「散策」という活動があるのですが、ここの作り込み具合がまず半端ない。

  • 食堂で生徒2人を誘ってご飯を食べる(支援とやる気が上がる、というおまけつき)
  • 釣りを一人でのんびりとする(食堂で食べれる魚を手に入れられる)
  • 武術大会がある(賞金や賞品をもらえる、というおまけつき)
  • 教員キャラから研修を受ける(自分の武器レベルが上がる)
  • 生徒1人とお茶会をする(支援があがり、魅力パラメータが上がる、というおまけつき)
  • 相談箱で生徒の相談に乗る(支援が上がる、というおまけつき)
  • 毎週開かれる合唱会に出る(支援と信仰レベルが上がる、というおまけつき)
  • 落し物を生徒に届けたり、生徒に贈り物を贈って反応を楽しむ(支援が上がる、というおまけつき)
  • 栽培をする(食堂で食べれる野菜や果実などを手に入れられる)
  • 毎月、キャラクターと新しい会話ができる
  • 士官学校で1年を過ごすが、色々な学校行事が楽しめる(学級対抗戦、釣り大会、舞踏会など)

思い当たるだけでこれだけやれる事があります。これらの活動からキャラクターの個性がにじみ出てきて、キャラの事を知って愛着が湧きやすくなること間違いなしです。例えば、

  • アネットやメルセデスはお菓子好きなので、食堂での好みのメニューは「桃のシャーベット」などスイーツが多い。
  • 引きこもりキャラのベルナデッタは、大抵自室にいて部屋から出ず、ドア越しに話をする。
  • 剣の修行が好きなフェリクスは鍛錬場に居ることが多く、同じ学級にいない場合は剣の武術大会にはボスとして出てくる。
  • 「自作の寓話集」といった落し物は、寓話を作るセテスさんの落し物であり、届けるとお礼を言われる。

などなど。またこれだけやれる事があると大修道院を散策するだけで1時間経ってることも。「2度目の出撃までにプレイ時間が3~5時間経ってた」みたいな声もよく聞くので、如何に「散策」が遊びごたえがあるかが分かります。

更に、カレンダーで1ヶ月をどのように過ごそうか考えている主人公の画面をよく見させられたり、「散策」には行動値があるので何をこなすかを計画して行動しないといけなかったりと、「散策」などでは「時間の使い方」を意識させるようなゲームの作りになっているため、「時間を過ごす」「(共同)生活をする」という感覚を味わいやすくなっているのだろうなぁと思いました。このような生活感が、キャラクターへの愛着の深まりやすさに影響を与えていると思います。

ただ、時間について意識しやすいゲームシステムであるからこそ、ゲームシステム上仕方ないとはいえ第2部終盤の「敵の陣地まで1日足らずで移動して戦闘をする」「敵が急に現れ襲撃してきた、というシチュエーションで1ヶ月の猶予がある」というのに不自然さを感じる事はありました。まあ些細な点ですが。

戦争の悲惨さの描写が凄まじい

前述した通り、色々なキャラと仲良くできる今作ですが、第2部になると多くのキャラが敵として出てきて大抵は撃破しないといけなくなります。撃破されたキャラはもちろん「死ぬ」ので、心がすごく痛みます。ストーリー内の会話や第2部の修道院での会話でも、心を痛めている味方キャラを見させられるので、すごくストーリーとして重めです。だからこそ戦争が終結するストーリー終了時の感動はひとしおなのですが……

また、クラシックで味方を死なせてしまった時の辛さは従来のFEよりも段違いです。キャラへの愛着や血の通い具合がいつもの作品と比べて段違いなので失う辛さもそうなります。普通のRPGで重要なキャラクターの死亡シーンを印象的・悲劇的に描く事はよくありますが、「自分のせいで血の通った仲間を殺してしまった」という点でこのゲームでの仲間の死の印象度や悲劇性は他のRPG作品とは一線を画すと思います。FEのクラシック・ノーリセットをした1度も事ない人は、この作品でこそ1度やってみて欲しいなぁと思います。

学級制にした事こそできるメインシナリオへの全員参加

いつものFEは、主要キャラ以外はメインシナリオでセリフをもらうことはありませんでした。というのも、

  • 仲間が多くて出していられない
  • 死亡システムのせいで、メインシナリオにセリフを与えてしまうと生存・死亡時の分岐処理が面倒

の2つが絡み合っていたからです。ただ今回は、各学級の生徒8人と一部のセイロス教団キャラ以外はスカウトで任意に仲間にできるだけなので、生徒8人全員がメインシナリオに絡める事ができたようで、終盤まで生徒キャラ全員にセリフがあります。これもキャラクターに愛着が持てるようになる1つの要因でしょう。これは、登場人物が少ないためストーリー表現をしやすいRPGっぽい要素を上手くFEに消化したなぁと思います。発想はステラグロウ等の「SRPGなのにRPGっぽいストーリー表現」に近いなぁと思います。

mabo-nebo.hatenablog.com

ひとまず記事は以上です。また何か見つけた点があったら記事を書こうと思います。 すごく神ゲーでとにかく感動しました。ちなみに1周目のクリア時間は99時間でした。 長くなりましたがここまで読んでくださりありがとうございました。